村上かつら短編集(1)



いいですね。
この人って「痛い恋愛」を描かせたら5本の指に入るほど巧いんじゃなかろうか?
そこらに転がっている凡庸で切実な「痛さ」を描くねぇ。
魚喃もそういう系統だけど、それとはまた違ったエグさみたいのを感じる。
南Q太に近い印象を受けるのは、やっぱりそこに性にまつわる
メンドクサイゴタゴタが絡んでいたりするからだろうか。
性を綺麗に描くんでなくて、恋愛のスタッフとしてリアルに、
それゆえに時には醜く描くのが好ましいです。


「はるの/よるの/ようだ」の島田さんの「さらば!!」が格好よすぎる。
読んでいる最中に「かっこぇぇぇ!」って思わず口に出してしまったら、
その3P後に主人公も「かっこよかった」って言っていて、「ありゃ、まんまとやられた」と
思わず唸ってしまいました。


ところで、これって(1)って付いてるって事は、2巻が出るんでしょうか?


村上かつら短編集 1 (ビッグコミックス)

村上かつら短編集 1 (ビッグコミックス)