Vacuuming(ヴァキューミング)



トレインスポッティングの監督であるダニー・ボイル
作品という事で借りて観ました。


きっついなぁ、コレ。いろんな意味で。
映画としてお話の完成度は低いし、何よりえぐいよ。
夢も希望もありません。カタルシスももちろんハッピーエンドも無し。
たいした落ちも無く、笑いの要素もコメディといえないレベルで
ひたすら人間的にダメなセールスマンの商魂と
自分の夢を見続ける事もリアルに適合する事もできない
気弱い青年の人生の一部を見せられて終わり。


キツいっつーもうひとつの理由が、この汚らしさとか弱々しさとか
惨めたらしさみたいなものが、現実の嫌な部分としてのリアリティがある所ね。
一番のえぐさは、この物語の「翌日」を想像するとなんとも遣る瀬無い。
主人公の一人である青年は、DJをして自分の音楽でたくさんの人を躍らせるという
夢をかなえたけど、現実としては仕事であるセールスはサッパリ、彼女に逃げられたまま
といううだつのあがらないままだ。DJをしている「あの瞬間」は
ハレではあるけれど、翌日からのケの日々を考えるとなんとも言えないイヤーな気分になる。
もう一度観たいとは思えない作品だったよ。うん。