天使のツラノカワ/一条ゆかり



以前のエントリでも書いた珍しく自分と漫画や映画の趣味の合う知人女性から借りて読んだ。
(「珍しく自分と漫画や映画の趣味の合う知人女性」って書くの
めんどいから仮名で『ポン子さん』とします)
ポン子さんにも「リバーズエッヂ」やら「極東学園天国」なんかを貸しているのですが
じゃ私もなんかお礼に貸すよ、との事で20冊ほど色々借りました。そのうちのひとつ。


まず絵がちょっと少女漫画しすぎでダメかなぁ、とか先入観があったのですが
読んだらすげー面白いでやんの。やっぱあの人いいセンスしてるわ。


生きる事に真っ直ぐでストレートに物事を表現できる図太さを持つ
クリスチャンの天然娘「実花」。
叔父(龍世)を愛してしまいヒネて素直になれなく、
他人と表面の付き合いだけで生きている寺の娘の性悪娘「沙羅」。


そして
人の扱いが上手くてやればなんでもソツなくこなす事ができる、
しかしその実は女にも仕事にも本気になれない中途半端な男「紫生」。
小説家でありタレントでもあって金も女も不自由しない、
でもなぜか妹的存在であり玩具である実花ちゃんが気になってしょーがない男「阿木龍世」。


この4人が一緒に仕事したり恋愛する日常(?)のお話。


彼ら彼女らが織り成すモノガタリは、確かにご都合主義すぎるし
あまりにも幸せな世界のお話だけれども、ちゃんとそれぞれが悩み
お互いが影響しあって少しずつ成長していっている。
それがあまりにも真っ当すぎて少し気恥ずかしいけれども。


特に実花のストレートっぷりはすげぇ。
相手が大企業の会長だろうが芸能人だろうが、間違ってると思う事があったら
聖書の一文を引用しながら説教始めてしまう。で、みんなそのパワーとエネルギーに
最後には実花に頷かされてしまうマジック。普通じゃありえん。
あぁ、そうかこの漫画は徹底的な性善説で描かれているんだなぁ。
ここまで前向きにひたむきに生きている人間の姿を見つめるっつーのは
一つの浄化作用があるんですねー。こんな人が近くにいたら影響されるのも分かる。
まさに実花教。


あ、この一条ゆかりって作者は『正しい恋愛のススメ』とか描いてる人なんですね。
こっちも名前だけは聞いたことある。うん。読んでみたいと思います。ポン子さん持ってるかな。


天使のツラノカワ 1 (YOUNG YOUコミックス)

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