青い花



岡崎京子安野モヨコ、さらには日本橋ヨヲコ
「現実でもありそうだけどぶっちゃけ現実じゃこんな事ないよね。」という
TVドラマ的な「ぼくたちの物語」を描くのに対して
志村貴子という作家は、隣の席の男の子女の子が
体験していそうな、ありふれている「ぼくたちの物語」を描く。


激動とか乱痴気騒ぎとは縁遠い平凡な日常を、
その匂いを残したままサックリと切り取り描く事に関して、
この人は群を抜いて上手い作家だと思うのですよ。
他の作家でいうとは冬目景(イエうた)も同じ観点で素晴らしいです。


この「青い花」でもそれは如実に出ていて、
きっといまこの瞬間も、日本のどこかの女子高で
この物語が動いていそうなそんな空気を感じられます。


そんな物語を読む感覚は、私の知らない誰かが
web上にアップしている日記を読む楽しみにとても近いのかもしれない。