空の境界 /奈須 きのこ





読了。感想いきます。


まず前提として。
月姫をやってないんですよ。自分。




正直言うと、思っていたほど面白くなかった。
月姫やってたらもっと楽しめたのかな?




作品全体を通して、何を読者に伝えたかったのかよく掴みきれなかったですよ…。
そもそも「伝えたい何かがある」って考えるのが間違え?


其処此処に魔術やドラッグ仏教の知識などが出てくるけれども
どれも中途半端な印象。煮詰めきれてない感じ。
ラノベとしてエンタメしたいのか、京極みたいに知識と伏線の嵐で唸らせたいのか、サッパリわからん。


マイナス点として大きいが、非常に読みづらいという事と、冗長だという事。
ボリュームとして350ページで書ける話を700ページにした感じ。
読みづらさに関しては、地の文がどのキャラが語り手になっているのかが分かりづらい点が一番ネックだった。
後半になって登場キャラが全員把握できるようになれば、それなりに読み進められるが
前半はかなり困惑した。「え?で、だれよ、お前」ってページ戻る事がしばしば。
狙ってやっているんだろうけど、単純に読みづらいってのはストレスが貯まるだけなんだけどなぁ。
このあたりは「手法がやっぱりエロゲ(ギャルゲ?ノベル系AVG?)的」という感想
こういう地の文がコロコロ変わる手法も、一枚絵とテキストボックスBGMという構成なら違和感なさそう…。



■注!■以下ネタバレ 反転



白純里緒登場が唐突過ぎる気がします…いままで登場していなかったキャラ
ポンと現れて「四年前から待っていたぜ…!」とか言われても…取ってつけた感が。
里緒、もっそ雑魚キャラ扱いだし…荒耶がラスボスでよかったんじゃないのか?
そういうストーリーでも纏められる気が。


白純里緒編」のラストもなぁ…お約束っちゃーお約束なんだけど、ご都合主義だよなぁ。
血で汚れた二人が抱き合いながら死んで行く方がスッキリ来るんですが。
そっちの方が描く情景としても完成してる感じがする。
雪の中で微笑むシキよりも、血に塗れて横たわっている式の方が絶望的に美しいと思うのですがね。


イリヤの空を読んだ時にはあのラストにモヤモヤしたものだが
空の境界のを読んだ後だと「あぁ、イリヤのラストはあれでよかったんだな。」と思える。




う…なんか悪い点しか挙げてないな。う〜、でもファンじゃないなら
2400円出してまで読む作品じゃないかな、と思ってしまったのは確か。


空の境界 上 (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)

空の境界 下 (講談社ノベルス)

空の境界 下 (講談社ノベルス)