電波的な彼女
「愚か者の選択」と「幸福ゲーム」についてほったらかしだったので、そちらを。
このシリーズは人生の歯車が違ってしまった人々のお話が多い。
使い古された言い回しで申しますなら、
「現代社会が生み出した闇の部分」と言いった所でしょうか。
ま、タイトルからして「電波的」だから当然か。
それに対して主人公(ジュウ)の性格付けは、
「素直ではないけれども根本の所では性善」という形で描かれている。
この主人公は己の矮小さも自覚しているので
その独善が不思議とあまり鼻には付かなかったりするのですが。
面白いのが主人公の周りの少女達は
決して道徳や正義感といった性善的な物に従って
ジュウと共に行動しているわけじゃない所。
彼女達は己の信念や興味という彼女達自身のルールに
則ってだけ行動していて、その行動によってもたらされる結果には興味がなく、
幼子の目玉が抉られようが、少女達が火の海に飲まれようが
ぶっちゃけどうでもいい、と思っている。
ジュウのために働く。という行為そのものに目的がある。
結果として、事件を解決し人を救う結果にはなるのですがね。
雨にしろ雪姫にしろ、こういうスタンスのキャラっつーのは
見ているこちらが不安定になるので面白いです。うん。
ジュウ君はモテ過ぎだとは思うが。
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