永遠のフローズンチョコレート



表紙買い。表紙は良いです。
だが、中身はとても好きになれず。久々に買ったラノベでハズレ引くとしょんぼり。


ストーリーとしては、やる気のない男の子と殺人鬼の女の子、そこに不死の少女が絡む
どこか歯車が狂っている日常生活といった所でしょうか。全編通して日記っぽいです。


文体が淡々としていて盛り上がりに欠ける上に
その中身で語られている事は、僕らがとっくの昔に語りきってしまった言葉ばかりである。
たとえばそういった「使い古された言葉」というのも、
舞台とキャラクター、文体、テンポ感といった様々な要素で人を楽しませる事は十分にできる。
だから、語られている事が使い古されている事が悪いわけじゃない。
問題は語られている事が使い古された言葉でかつ、そこに読み手が楽しめる要素がない事だ。
どちらか一つでも問題がクリアされていれば読む価値はあると思うのだが、
どっちも駄目じゃ本当に駄目だ。


エントリ冒頭にも書いたけど、まるでだれかの日記やブログを読んでいる気分だった。
web上でこの話を読んだとしたら、この文体で
この内容(殺人鬼の少女と死なない少女というのはキャッチーかも)でも
「まぁわりといんじゃね?」とう評価だろうが、630円を出して読む価値はないと思ってしまった。
評価できるとしたらエンディングくらいでしょうか。(ネタバレになるので詳細は割愛)


id:sindenさんのエントリにもあるように元ネタがある文章が多い。
例えば「戯言シリーズ」や「神聖モテモテ王国」、「勝手に改蔵」のような
元ネタを持つ笑いや共感にある、独特のニヤリ感というのは好きだったりしますが、
この作品では笑いにも共感にも結びつかず、なんだかなぁ。
漫画と比べちゃ悪いとも思いますが。やっぱり微妙なのは確か。
文体やテンポ感が問題なんだろうか?


そして何より鼻についたのは後書き。
作者がこの作品に対して妙に自信たっぷりな所がかなり嫌だ。
まるで歴史に残る『大作』モンスターを書き上げてしまったかのような自惚れっぷりは非常に萎えました。
少なくともこの作者の他作品はもう買わない。


永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)

永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)