エナメルを塗った魂の比重/佐藤友哉
鏡家サーガの第二巻。
鏡稜子が主人公?
物語の構成としては前巻である『フリッカー式』同様、
いくつかの物語が並列に述べられていき、最後にそれら全てがひとつに
集約されて結末を迎えるという形式。いま読んでいる『水没ピアノ』もそうだし
鏡家サーガは全部この形態なんでしょか?
同時進行で進むそれぞれの物語に与えられたキーワードは
「コスプレ」「カニバリズム」「ドッペルゲンガー」「苛め」そして「予言」
ミステリの皮を被るために申し訳程度に「殺人」も入ってたりします。
ん〜。
やはりというかなんというか、『フリッカー式』ほどのインパクトや嫌悪感はないなぁ。
多分、『フリッカー式』の大きな要素の一つに「強姦」というキーワードがあったからでしょうな。
個人的に強姦は殺人や食人よりも嫌悪感を催す要素ではある。うん。
それでも、第二巻にあたるこの『エナメル』も奇人超能力者変態さんの
展覧会みたいなとち狂った物語なのは変わりない。
それぞれの登場人物の腐った人間性を見て、自分の中に生まれる
作者に対しての同属嫌悪を楽しむ作品である事には変わりない。
エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室 (講談社ノベルス)
- 作者: 佐藤友哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/12/06
- メディア: 新書
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