pulp I/森橋 ビンゴ



合わないや。
読んでてイライラした。


リストカットをテーマに物語が描かれていると
いう事には別段嫌悪感はない。
ただ、イライラするのは、主人公である「嬢」の精神構造。


自分では何もせず、何もできないのに、ただ日常を恨み、
父親を恨み、世の中を恨み、そして自分自身を恨んで生きている。
あげくの果てに、ちょっと非日常である彰(男性主人公、組織と戦ってる)に
ホイホイ惚れちゃって「私をここから連れ出して」という白馬の
王子様幻想を唱える始末。正直ね、吐き気がするよ。


もうね、男相手だったら「君ぃ、ソープへ行きなさい!」もしくは
「君ぃ、極真空手を習いなさい!」と言いたくなる。
ネガティブな思考を持つのは誰しもあるし悪いことじゃないけど、
何もしない自分を棚に上げて他人を、世界を恨むスタンスは個人的に嫌悪感。
ただ祈るだけの人間に幸福を与えるくらい神様は暇じゃないし
世の中は甘くできちゃいねーよと思ってしまう。


後半になって嬢の鬱なだけの自己語りが減って
物語がようやく進み始めたのですが、そこで一巻が完。
続きは二巻へ、という事でした。
続きはあまり読みたいと思えなかった。
前半の200ページを20ページくらいにまとめてくれたら
次巻も読みたかったかも。


作品の流れ自体は悪くないので、駄目な作品とは言わないけど
ただ単に自分とは合わないと思った。


pulp I (ファミ通文庫)

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